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「土方さん、最近会いませんねぇ

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「土方さん、最近会いませんねぇ」

 

 

「あの人もいよいよ忙しくなったらしい」

 

 

美海と沖田はのんびりと外を見ながら話している。

 

 

酒席には誘われたのだが、お偉いさんとの酒の場は性に合わないのだ。

 

 

しかし、忙しい割りに、土方はそんなに苦しそうでもないように見える。

 

むしろ、丸くなったというか、何というか。

 

 

人様に純粋な笑顔を振り撒いている。

 

 

「まぁ、あれですよね。

他の隊士さん達も、以前よりも慕っています。一部なんかでは、母のようだと」

 

 

ぬっと市村が顔を出した。

 

美海と沖田は顔を合わせる。

 

「「ははぁ!?」」

 

「ぷっ…。いやいや!ないないないない!」【拆解植髮騙局】FUE植髮真的可以不剃頭? -

 

 

「ないですよ~!百歩譲って親父!!いや鬼だな!!」

 

二人はヒーヒー腹を抱えて笑っている。

 

市村は困ったように笑った。

つまり評判が良いと言いたかったのである。

 

 

「いやぁ。母だなんて。いいんですよ。あの人は。

元々本当は優しいんです。鬼になりたがっているだけで」

 

 

沖田は真面目な顔になって言った。

 

美海も頷く。

 

 

──鬼になりたがっていただけ。

 

根は優しい。

 

 

なんていうのは沖田も同じだと思う。

「ま。なんにせよ、いいでしょ。あの人はこれくらいが似合ってる」

 

沖田は少し嬉しそうに笑った。

 

「えぇ。ちょっとでも、気を緩めれればいいですね」

 

美海も笑った。

 

今頃土方はくしゃみでもしていることだろう。

 

 

土方が不器用極まりない人物なことはもう皆知っている。

 

口も態度も目付きも悪いが、一番に皆のことを考える。

 

それを知っているから皆ついていく。

 

だから、余計に嬉しい。

 

 

「先輩っ!沖田隊長!!

お二人は、そんなに副長のことをっ…!」

 

 

市村は目を潤ませながらそう言った。

 

美海も沖田も驚いたように顔を見合せ、困ったように笑った。

 

 

「なんで鉄くんが泣くのさ~」

 

「だって…!あの人は親のようなもんなんでっ…」

 

「鉄くん…」

 

市村は幼少の頃、親を亡くしている。

土方にどこか親の面影を重ねているのだろう。

 

なんとなく美海も沖田も感傷に浸ってしまった。

 

 

「……誰が親だ。まだそんなおっさんじゃねぇっつうの…」

 

その襖を隔てて向こう。

子供達の様子を見に来た土方が嬉しそうにそう呟いたことは誰も知らない。

 

 

長かった戦いは一時休息に入り、1月、2月とは蝦夷地の整備に当たっていた。

 

 

このまま、こんな日々が続いていたらいいなぁ。

なんてつい思って、空を見上げる。

 

名前も知らない大きな鳥が楽しそうに空を泳いでいた。

 

 

冬の時期にも関わらず、日溜まりがポカポカと暖かい。

 

 

いいな。こういうの。

 

 

皆、大変なのだが、笑って助け合っている。

 

見ず知らずの人だったのに手を取り合い、励ましあってる。

 

 

頑張ろう。きっと全て上手くいく。と。

 

 

「先輩っ!これ早いとこ運んじゃいましょ!」

 

「あ!うん!ごめんごめん」

 

市村に声を掛けられふと我に帰る。

 

 

美海は今、市村と昼食作りに励んでいたのだ。

 

男ばかりなため、ロクに料理をできる者はあまりいない。

 

 

必然的に小姓である市村、知られてはいないが美海が担当している。

新撰組も一時は交代制で作っていたため、少々。

 

 

そして、意外なのが大鳥。

 

あんなナリをしながらも、実は得意なのだという。

 

「意外ですね」

 

と笑うと、

 

「何がおかしい!!」

 

と真っ赤になりながら怒っていた。

そのくせ料理中はああだこうだ、姑のようにうるさいのである。

 

これには閉口であった。

「できましたよ~!!」

 

美海達が軽い食事を運びに回ると、男達はワラワラと群がった。

 

皆、身分なんて関係なくひたすら働いているのだ。

それに、そもそも侍がすべき仕事ではない。

 

お腹が空くのも無理はない。

 

土木作業なんて初めてだっただろうに、皆どろどろになりながら働く姿は中々様になっている。

 

「美海さん!」

 

「沖田さん~!」

 

 

美海は手を振る沖田に思わず顔を綻ばせた。

 

やはりこの男も泥まみれなのである。

白い肌に黒く汚れが着いている。

こんな姿、中々見れたものではないので、美海としては嬉しいのだ。

 

 

 

これはこれで有りかなぁ。

 

 

なんて。

 

美海は小さく笑った。

 

本当にいつ見てもいい光景だ。

皆一丸となって働く姿は良いものである。

 

 

「いやぁ。こんなに働いたのは初めてだ」

 

丸太に座り、握り飯を食べながら沖田はおどけてみせた。

 

「疲れました?」

 

「身体の節々が痛い」

 

沖田は笑って返す。

 

「ならやらなければいいのに」

 

美海も笑った。

沖田は一番隊隊長だった時の名残で指導者側のはずだ。

carinadarling

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on Jan 08, 25